こんにちは、タナイです。
新型のMacBook Air 2020では5K出力に対応か・・・
そんなに細かい画面にして何の意味があるんだろう・・・
5KとかRetinaディスプレイって名前自体は目にするし、なんとなくキレイってことは分かるけど具体的に普通のものとなにが違うの?
今日はこんな疑問にお答えします。
Retinaディスプレイとは?
学生向けに10万円を切る新型MacBook Airですら、5K出力へ対応する世の中になっています。
一般人には高画素過ぎて実感がわきませんね。
そしてなぜ今でも十分に細かいとされる4Kでなく、わざわざ5Kにまで対応するのか?
実はこの辺りがRetinaディスプレイ技術と密接に関係しています。
単に高画素画面=Retinaではない
Retinaとは網膜の意味ですが、これは目でドットを認識できないほど高精細というところからきています。
昔の携帯とかファミコンの画面はピクセルが粗いですよね。
じゃあ、これをどんどん細かくしたのがRetinaかというと単にそれだけではありません。
同じ画面の大きさで表示できるピクセル数が増えると、表示するもの自体が小さくなってしまいます。
画像で見るとこんなイメージになります。
高画素にするほど、同じものをより少ないスペースで表示できるため、表示領域をどんどん広げていくことが出来ます。
でも、今はもうフルHDが当たり前の時代です。十分表示領域は広いじゃないですか。
むしろ、これ以上は小さすぎて見えなくなってしまいます。
これを解決するためにRetinaではダウンスケーリングの技術を組み合わせて対応しています。
Retina=高精細ディスプレイ+ダウンスケーリング
ということですね。
ダウンスケーリング技術
画面を細かくしたときに表示するものが小さくなりすぎないようにするのがダウンスケーリング技術です。
Retinaでは、例えば元の1ドットを2×2の4ドットでリスケーリングして表示するという方法がとられます。
高画素を領域を広くとることではなく、同じものをよりキレイに表示するために使うということです。
四角だと分かりにくいので、斜めを例にとりましょう。
ただ単に1ドットを4ドットにするだけでなく、実際には上の図のような補完処理が加えられて表示されているはずです。
補完ロジックは映像処理の専門家の仕事なので追求すると本何冊にもなるような話だと思います。
ただ、1ドットを4ドットに割り伸ばして表示するのは、比率として単純に2倍になりますから、描画処理としての負荷はもっとも低いでしょう。
そのため、Appleも基本は同じ1ドットを4ドットとして、画面のナチュラル解像度の1/4を擬似解像度として表示するスケーリングが標準になっていました。
1×1=2×2以外のパターン
一方、最近では処理のアルゴリズムがさらに進化したのか、それ以外のパターンも出てきています。
たとえば、新型MacBook Airの画面自体のナチュラル解像度は2560×1600のWQXGAです。
これに対して標準の疑似解像度は1:2の比率ではない1140×900のWXGA+になっています。
これは、9×9の領域を16×16でリスケーリングするものです。
正方形を正方形で置き換えるという観点ならば別に比率は1:2に限らないわけですが、どんな組み合わせでもいいというわけではありません。
正方形を画面に敷きつめたときに、余りなく並べるためには画面縦横のドット数を割りきれる大きさである必要があります。
例えばこのMacBook Airなら、横2560と縦1600の公約数が基本単位でないといけないというのが制約です。
2560と1600の組み合わせだと公約数は2,4,8,10,16,20,32,40,64,80,160,320の12種類です。これらのいずれかで割った数を基本単位としてリスケーリングすることになりますね。
ただし、割り切れる数を基本単位にしたからといって、2×2ドットを4×4ドットに対応させるというのは1×1を2×2に対応させることと同じことです。そのため、スケーリングの比率となり得る候補としては、さらにスケーリング前後でも公約数がないものに選択肢が絞られます。
2×2ならあり得るのは1×1のみですし、4×4なら1×1または3×3のみです。
もっと大きい単位を考えると、たとえば先ほどの16×16なら15×15、13×13、11×11、9×9、7×7、5×5、3×3、1×1が候補になります。
ですが、ダウンスケーリングをするそもそもの意味に立ち返って拡縮の比率を考えると、15×15や3×3などは現実的には候補外です。
比率に差がなさすぎて高精細にならなかったり、逆に差がありすぎると大きくなりすぎたりして使えません。
iPhoneではじめてRetinaディスプレイが出たときも、ディスプレイのドットの細かさ自体は約2倍でした。そのため、上記の公約数による制限に引っかからず、約2倍(実際の表示の大きさが適正な範囲)となる拡縮比率がスケーリングとして採用されうるということになりますね。
実際に、新型MacBook Airの対応解像度は、以下の3パターンになります。
- 32×32→21×21(152%)
- 16×16→9×9(178%)
- 5×5→2×2(250%)
ちなみに、サードパーティ製のDisplay Menuなどのアプリを使うとさらに10×10→9×9や20×20→9×9など、理論的にありうる他の比率も選べるようになります。
ダウンスケーリングは、画面自体の解像度とほしい縮尺の兼ね合いでおのずと選択肢が限られてくるということになります。
ただでさえ細かすぎる4Kを飛び越えて5K対応が進むワケ
ここまでに、Retinaの概要とダウンスケーリングで取り得る選択肢について説明しました。
外部ディスプレイもRetinaの高精細表示にするためには、当然ダウンスケーリングの比率を考えてあげなくてはいけません。
そのときに、要求される疑似解像度がどれだけかによって求めるディスプレイ解像度がおのずと定まります。
まず、いま一般に広く普及している1920×1080のフルHDを2×2→1×1のダウンスケーリングで表示するなら4Kが必要です。
一方で27インチとかを超えるディスプレイを使っている場合、フルHDだと少し表示領域が狭く感じることもあります。
このような場合、通常のドットバイドットで表示するWindows機などであれば、2560×1440のWQHDあたりが選択肢になります。
これを2×2→1×1でRetina表示しようとしたときに必要となるのが、5120×2880の5Kなんです。
なぜ、わざわざ5Kに対応しているのか。
それはRetinaの高精細さを持ち、かつWQHDの作業領域が欲しいというニーズによって生まれた超贅沢な仕様だということになります。
ちなみに、5K液晶はMacBook Airの値段を軽く超えてきますので、対応したところでどうなんだという話はあります……。
まとめ
今日の要約は以下の3点です。
- Retina=高精細ディスプレイ+ダウンスケーリング
- ダウンスケーリング=表示領域<高精細の価値観
- 5K=WQHDのRetina表示に必要な解像度
MacBook Airが欲しくてたまらないタナイですが、1ヶ月前からお小遣いと必死の相談をしています……。
稼いだお金 is not 自分のお金 but 家庭のお金
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