エクセルVBAはサラリーマンの業務効率化に非常に役立つスキルです。
敷居が高いと思われているマクロ(VBA)ですが、現実問題ひとりで何もないところから自由自在に書けるようになるには相応の時間がかかります。
一方で、すでにあるマクロを理解したり、ほんの少し動作を変更する程度なら基本を押さえればわりとすぐできることも多いです。
サラリーマンとして、少しマクロを改修できるだけでもかなりの上位に入ることができます。

今後は、そうしたマクロの入り口としてExcel VBA初心者に向けた記事シリーズも展開していきます。
今回は、VBAを始めるにあたって必要なExcelの環境設定について説明していきます。
Excelで「開発タブ」を表示させる
ExcelでVBAプログラムを書くためには最初にいくつかの環境設定をする必要があります。
まず、VBAプログラムを書くためのメニューが集まっている「開発タブ」を表示させましょう(「開発タブ」は初期状態では非表示設定になっています)。
Excel「ファイルタブ」から「オプション」→「リボンのユーザー設定」に進みます。
右メニュー「メインタブ」の中の「開発」項目にチェックマークを入れて「OK」をクリックします。






Excelの新規シートを開くと「開発タブ」が表示されていることが分かります。
開発タブ(Excel2019)は以下のような構成になっています。



タブ左側にある「コード」が目的のグループです。
グループ内の「Visual Basic」や「マクロ」などのボタンからプログラムを作成していくことができます。
マクロのセキュリティレベルを設定する
次にマクロ(VBAで書いたプログラム)のセキュリティレベルを設定します。
「開発タブ」メニュー内の「マクロのセキュリティ」をクリックします。「マクロの設定」の中から「警告を表示してすべてのマクロを無効にする」を選択し、「OK」をクリックしてください。



このように設定するとマクロを含むExcelファイルを開いたとき、「マクロが無効にされました」という表示が出るようになり、意図せず悪意のあるマクロが実行されることを防ぐことができます。



一方で、同時に表示される「コンテンツの有効化」を選択すればすぐにマクロを有効化できますので、この設定によりマクロが使えなくなるわけではありません。
セキュリティ設定の必要性
マクロのセキュリティ設定を行う理由は、マクロが非常に高機能であるためです。
悪意をもってマクロを作成すれば、パソコンのデータを破壊することも、インターネット上の悪質なプログラムをダウンロードさせることもできてしまいます。
うっかり危険なマクロを動作させてしまわないよう、最初はマクロを無効化しておき、信頼できるファイルだと確認してからマクロを有効化させることをお勧めします。



マクロはブックを開いたと同時に実行するように作成することも可能です。したがって、設定で自動的にブロックされるようにしておくことが望ましいのです。
ファイルをマクロ有効ブック形式(*.xlsm)で保存
具体的なマクロの作成方法等は次回以降に譲りますが、マクロを含む場合、Excelファイルの保存形式が通常と異なることを先に説明しておきます。
マクロが含まれるExcelブックを保存するには、ファイルの種類を「Excelマクロ有効ブック(*.xlsm)」という形式として指定する必要があります。



通常のExcelファイル形式*.xlsxではマクロの内容を保存できません。
通常、マクロを含むファイルを*.xlsx形式で保存しようとすると「次の機能はマクロなしのブックに保存できません」というメッセージで下記のダイアログが表示されます。



ちなみに、もしこのメッセージを読み飛ばして「はい」としてしまうと、マクロが含まれない*.xlsx形式で上書き保存されてしまいます。



その状態でExcelのアプリケーションを閉じてしまうとせっかく作成したプログラムが消滅しますので要注意です(閉じるまではセーフです)。
※Excel2003以前のバージョンではマクロの有無に関係なくすべてのファイルの拡張子は*.xlsで統一されています。
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